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#82 いつも自分に言い聞かせていたのは“言い訳しない”ということ ~アルティメットバトル2018 優勝について・後編~

― 10/15配信の中編はこちら ― 9/30配信の前編はこちら

担: 今後のトーナメントの予定はどうなっていらっしゃいますか?
平: この秋に開催されるジャパンカップのみです。今年のジャパンカップの選抜試合は日振島になるんですが、日振湾内になることが多くて。ハリス1.2号とかの世界になってくるので、一番の課題は細ハリスを持っていくのを忘れないって事ですね!
担: 出発前の段階の話ですね(笑)
平: 前々回の時は急遽湾内になって……。沖だとそれなりに太い号数で大丈夫なんですが、日振湾内になると全然状況が違うんですよ。その時、自分の持っていた一番細いハリスが1.75号だったのでそれで戦ったのですが、「これはアカン」って感じでした。それで、昨年はジャパンカップ用の入れ物を作って忘れないように1号、1.25号、1.5号のハリスを準備するようにしました。
担: 事前のしっかりとした準備がまず大事という事ですよね。あわてて準備すると何か忘れてしまいがち、ですからね。

平: しかも、前日に現地に早めに入って堤防で1号のハリスを使って釣りをしたんですが、日ごろ使うことがほとんど無いから、まず結んだ時に力入れて引っ張り過ぎて切れてしまうんですよ。ラインってその号数の限界の引張強力を超えてしまうと、どんな強いラインでも切れてしまいますからね。
そのあと、魚が釣れていつも通り豪快にアワセをすると、また切れてしまって。日振だと湾内でも30cmそこそこのサイズも釣れますからね。そこから強くアワセても切れないようにドラグ調整をして、それが上手くいって昨年は選抜の試合を勝つことが出来ました。
担: ご自身の体と道具を上手く状況にアジャストさせたという訳ですね。
平: やはり調整の時間は必要だなと感じました。
この秋も忘れないように細ハリスをもっていきますよ(笑)

子供のころから「緊張しないやろ」って言われるタイプだった

担: ちなみに平和さんはトーナメントのような勝負事の際に“げんかつぎ”みたいな事をされたりしますか?
平: そうですね~。“げんかつぎ”では無いですけど、昔は日本一というのを本当に夢見てやっていたので、その夢を叶えるまでいつも自分に言い聞かせていたのが“言い訳しない”って事ですね。
担: 言い訳というと?
平: なにせ釣りですから。皆わかっている事なんですが、同じ磯でも右と左で全然違うし、ぐるっと回ったら当て潮で、相手の選手は良い潮で、っていうのも当たり前のことで海のせいにしたらキリが無いんですよ。それをどんなに悔しがったところで、自分の力では海も風も動かせないですから。
担: 目の前に対戦する相手が居ても、最終的には自然との闘いって事ですよね。
平: もちろん負けたら悔しいし、辛いのは当然なので海のせいにしたくなるんですが。それをしないように、当たり前のように自分に言い聞かすのが大変でしたね。
担: つぎ(来年)に繋げるという意味でも大切なことかもしれませんね。
平: こう見えても、自分、緊張するんですよ!?
担: 本当ですか!? 全然、そうは見えないですけど。
平: ほらほら、そう言うでしょ。子供のころから「緊張しないやろ」って言われるタイプだったんですよ。本当は緊張しているんですよ。「ピーズ・ザ・ムービー」の時だって緊張してます。
担: ピース・ザ・ムービーもですか!?
平: それはウソです(笑)緊張すると視野が狭くなって、周りが見えなくなるんです。でも、海で釣りをするときは磯釣りだけに限らず広い視野を持つことが大切だと思ってます。
ストイックになるのは良いのですが、試合に入り込めば入り込むほど視野が狭くなってしまうことが自分の最大の欠点であり難題であると思っていたので。
担: なるほど。

基本的には防御は無い

平: 試合のときの心持としては、今の技術で言ったら、「ドローンを飛ばせ!」みたいな感じでしょうか?
担: それはどういう意味ですか?
平: 自分の釣り座からドローンを飛ばしたときのカメラの映像のイメージを持って釣りをするということです。そしたら、周りが広く見えるじゃないですか。沖の潮の変化にも気付くことが出来るし、もっと他に可能性があるポイントに気付けるかもしれないし、「広く見ろ!」って事ですよね。
昔は「広く見ろ」と手のひらに書いて試合に臨んだこともありましたよ。
担: そうなんですか。平和さんにもそういう時代があったんですね。

平: 結局、相手と試合しているので相手より1gでも多く釣れば勝ちなんです。基本的には防御は無いですから、境界線と限られた時間の中で釣りをするだけ。
でもやっぱり、どうしても相手の釣果も気になるし。だけど相手に釣らせないようにするなんて出来ないので、自分自身が精一杯攻める、攻撃のみなんです。だからこそ、広い視野を持って海を見ていないと、対応出来ずに終わってしまうことになるんです。
これからトーナメントで勝つという夢を持っている人がいれば、自分の世界に入り込み過ぎないよう、多少情熱は抑え気味に、そしてドローンを飛ばせ! という感じでアドバイスしたいですね。
担: もし、このコラムを読まれているトーナメントを目指す磯釣り師の方がいらっしゃいましたら、是非とも参考にして欲しいですね。
平: 国内の大会に参加されている方は意外に多く、中には日本一になりたいと夢見て参加されている人も居ると思うので。それぞれの釣りの楽しみ方や醍醐味はあると思いますが、トーナメントに出ている方は頑張って、夢を叶えてもらいたいですね。そこに、自分たちが関わっているアイテムが少しでも役に立てたら、さらに嬉しく感じます。
担: モノ作りをする立場として、そんな幸せなことはないですね。そういう方々がどんどん出てきてくれると嬉しいです。
平: ですね!
担: 本日は有難うございました!! 次の機会も宜しくお願い致します。
平: こちらこそ、有難うございました。
ピーズ・ザ・ムービーも日本各地で撮影していますので、今後ともお楽しみに!!

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