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#3 日本とアメリカにおける釣り文化の違い

ウェブマガジンをご覧のみなさんこんにちは!
ニッチ部屋の管理人、開発・西島です。
今回ニッチネタは「日本とアメリカにおける釣り文化の違い」

7月中旬から下旬まで、2週間ほどアメリカに行ってきました。
出張目的はICAST SHOW視察と市場調査。そして釣り。

ICAST SHOWとは日本でいうところのフィッシングショー的な存在。

弊社もYO-ZURIブランドでブースを出しております。 アメリカでも人気が高く、おかげさまで連日大盛況。

YO-ZURIの契約プロスタッフも集結するので、我々開発スタッフは製品についての打ち合わせも行います。

ICAST SHOW終了後はアメリカの小売店を回りマーケットの調査。

実際の販売現場を見たりお店の人の話を聞いたりして、今まで知らなかったことやアメリカ市場のトレンドを吸収。今後の製品開発に活かせるよう日々勉強していきます。

お楽しみの釣行は連日大爆釣!

そしてお楽しみのアメリカ釣行はバスフィッシングが2日、オフショアフィッシングが2日、インショアフィッシングが2日の計6日間。
インショアフィッシングとは簡単に言うと沿岸部での釣り。
天候にも恵まれ6日間全て釣行に出ることが出来ました。
新製品のテストを含め結果は連日大爆釣!

魚が全然スレてません。
ライトラインを使ったり、弱波動のスモールルアーでアプローチしたりするような繊細な釣りは一切無し。
どーんと派手に、そして豪快に釣りを楽しめます。

今回の釣行で一番感じたことはアメリカ市場がボディや針に過剰なまでの強度を求める理由。
今までアメリカからは何度も「強いボディ」と「強い針」が必要と念仏のように聞いてきました。アメリカリクエストの製品は我々日本人の感覚からすると、ルアーサイズに対して強度が強すぎるんじゃなかろうかと思える製品も多々あります。毎回疑問に感じながら製品開発をしていたのですが、今回その必要性を実感することが出来ました。
例えばオフショアでは常に大型のサメに狙われるので、日本のように柔らかいロッドで魚をいなして獲るようなスタイルは全く通用しません。 急いで取り込まないとこんな結果に……。

20kgを超えるようなカンパチでもサメにやられて頭だけになってしまいます。
ラインも今ではPEが主流となり、かなり太く強いものを使用。
太くする理由は対象魚の問題だけでなく、ロッドのクオリティーにも左右されているようです。装着されるガイドは安価なハードリングやクロームリングが普通に出回り使用されている状態。ゆえにラインが太くなり、パワーファイトが出来るようになって、ルアーや針に負荷が集中する訳です。
この経験から現在開発中のアメリカ向けルアーも高強度仕様に変更。
「ここまで強度を上げれば大丈夫だろう」という想定を常に上回ってくるので大変です。

ゲームフィッシュとしての人気の対象魚も独特です。
フレッシュウォーターではブラックバス、ソルトウォーターではシイラ、ターポン、スヌーク、カジキなど。
これらの魚に共通して言えるのは、ルアーで釣れる魚でありヒットするとジャンプを繰り返し視覚でも楽しめるということ。魚の大きさや引きの強さも重要なポイント。
日本独特の釣りと言えるヘラブナ釣りやタナゴ釣りは、アメリカ人からすると全く理解できない釣りなのかもしれません。近年急速な流行りをみせるアジングなんかも同じでしょう。

繊細さを楽しむ日本に対し、豪快で派手なアメリカの釣り。
これはアメリカの釣り動画にも表れています。
ほとんどの動画がヒットした後の派手なファイトシーンからキャッチまでで構成されています。
日本の釣り動画のように、どのようなアプローチをして魚が食ったのかが解る動画は少ないです。
掛けるまでのプロセスを楽しむ日本の釣り文化はある意味特殊なのかもしれません。
でも美味しい魚は持ち帰って食べるところは日本もアメリカも同じのようです。

このコラムを書いたスタッフ

西島 宗幸

デュエル開発スタッフ