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#66 口太グレが産卵期に突入 ピース的春磯のアフター激シブ突破戦術

担当者(以下、担): いよいよ春磯の開幕ですが、この先は食い渋った寒グレ期とは違ってイージーでハイテンションな釣りが楽しめそうでしょうか?
平和(以下、平): う~ん、確かに気温は日ごと暖かくなっていきますが、海の中はまだしばらく冬の延長。厳寒です(笑)。
水温が上昇して魚の活性が高まるのは、もう少し先になりそうですね。
それに、春磯はこの時期のメインターゲットとなる口太グレが産卵期に入ってしまうので、その直前やアフターの個体は極端に活性が落ちてしまいます。産卵のダメージが強く残っている間は、マキエに反応して食い上がるようなことはまずない。動かない、というより、動けないんですね。

担: それでは、春磯は冬場よりも難しい釣りになるということですか?
平: 近年は口太の産卵期が地域によってバラツキがあって、いつ、どこで、ということがはっきりわかりづらいことが多いんです。
産卵が遅れている個体がいてくれる釣り場ならどうにかなりますが、がっちりタイミングが重なってしまってアフターを釣らなくてはいけないときは結構大変。なかなかうまくいかないときもありますよ(笑)

グレの口もとへサシエを届けてやることが大切ですね

担: その厳しい状況を、いつもどのように突破しているのですか?
平: 産卵活動で大きなダメージを受けた口太は、体力が回復するまで動けません。
当然きつい潮の中でじっとしているわけはなく、シモリ周りや岩陰、海溝といった潮が当たらないまったりとしたポイントに身を潜めていると思われます。
それでも、ごはんを食べなければ生きてはいけませんから、目の前に流れてきたものは食べる。
そんなイメージを頭に描きながら、グレの口もとへサシエを届けてやることが大切ですね。

担: ということは、シモリ周りや海溝などのストラクチャーをタイトに攻めなければいけない?
平: 寒グレ期の食い渋りは、その要因の大部分が低水温です。
だから低いながらも水温が変動せず安定していたり、わずかでも上昇したようなときは浅ダナで活発にマキエを拾ってくれます。

平: ところが、アフターでダメージを受けたグレは、まずそんなことは期待できないんですよ。

エサを活発に追って動いてくれるグレを狙うときは、軽い仕掛けを潮に自然になじませて流していくことでマキエとサシエを同調させてやればいいわけです。基本的なグレのフカセ釣りですね。
でも、魚が動かないのなら、サシエも止めてやらなければ食いません。
ここが釣り方の分かれ道じゃないでしょうか?

だから、そうした「止め釣り」がしやすい環境が整ったフィールド、たとえば強い潮が当たらないポイントやきついサラシが出ないようなポイントを選んで竿を出すことですね。こうしたところは先にも説明した通り、ダメージを受けたグレが好んで居つく場所でもあるので、釣り人の都合とグレの都合がうまくリンクしているといえます。

担: なるほど。仕掛けは流さず、止めるんですね。

潮乗りの悪い仕掛けは、逆に狙ったポイントでサシエを止めやすいということ

担: どんな仕掛けでアプローチすればいいでしょうか?
平: 僕の場合、普通ならシモリ際などに潜むグレをマキエで少し離れたところに誘いだして、安全に取り込めるポイントから順に食わせていくのが基本です。
でも、マキエで動かせないアフターの個体は、そうはいきません。
ストラクチャーの際で食わせるために、バラシのリスクがとても高いといえます。
だから、タックルは寒の時期で使うものよりワンランク太め。
1.7号のハリスが基本なら、2号まで上げますね。

担: 食いが渋いグレにはより細仕掛けで挑みたくなりますが、正解ではないんですね?
平: ただでさえ数少ないチャンスですから、それを逃さずものにできるタックルが必須だと思います。

担: では具体的なパーツの組み方を教えていただけますか?
平: まず道糸は「HARDCORE ISO CN」の2号。それに「TGウキ止めライン」と「TG レンジキーパーS」を通して、ウキは「TG ウェーブマスター」Lサイズの 1号をセレクトします。
そして「TG クッションシンカー」の1号をセットし、「ローリングサルカン」8号でハリス「H.D.カーボン」の2号を2ヒロ半つなぎ、グレバリ4~6号を結べば完成です。

担: ウキは1号ですか?
平: 重い仕掛けは食いがわるいと感じることと思います。
でも、それじゃないと仕掛けが止められない。または、これなら簡単に仕掛けが止められる。
00や0の軽い仕掛けでは、ラインを張って止めようと思っても潮に乗って流れてしまうでしょ?
でも、1号のウキとオモリなら、ドスンッと仕掛けを止めてくれる。
ライン(道糸)を少々強く張っても、仕掛けのウェイトがあるため浮き上がったりポイントからずれたりしない。
潮乗りの悪い仕掛けは、逆に狙ったポイントでサシエを止めやすいということですよ。

担: 同じ食いが渋いグレでも、寒グレとアフターではアプローチが真逆になるんですね。ここでは重い仕掛けが正解。そのオモリはTG クッションシンカーの1号だけですか?
平: ローリングサルカンの下にG2~G4のオモリを打ちます。
潮の状況に合わせてウキの浮力を微調整するためです。海面にプカプカ浮いてしまうようでは、波の上下でサシエも不自然に浮き上がってしまいますから、それを避けるためです。

担: ハリスの真ん中やチモトには打たない?
平: 仕掛けを止めるのはクッションシンカーの役目です。
その下のハリスは自然にフカせることでサシエを静かにシモリ際や岩陰に持っていくことができると思いますよ。

担: なるほど、これでストラクチャー際にタイトに潜むアフターの口太の目の前に、サシエを届けることができるというわけですね。少しレベルが高そうですが、このレクチャーを頭に入れてチャレンジしてみます!!
平: 自分の引き出しをいくつも広げて、いろいろ考えて、
頭がキューッと痛くなるようなグレ釣りですが、それがまたおもしろいんですよ!!

春磯の魅力はこれだけではない!

平: でもね、春磯はグレだけではなくてチヌも好ターゲットです。
こちらは乗っ込みの荒食いが期待できますから、ハイテンションな釣りがイージーに楽しめますよ!!

担: そうですね、磯チヌも忘れてはダメですね!! では最後に磯チヌ攻略のワンポイントアドバイスをいただけますか?
平: グレは海面から1ヒロ、2ヒロと深く探っていって、3ヒロでエサを取られたら2ヒロに戻すといったアプローチが基本です。
でもチヌの場合は底からの計算ですね。グレほどマキエで浅ダナへ浮かすことはできませんから、地形の変化をしっかり頭に入れて、どこでサシエを食わせるかをイメージしながら探ることが大切です。
いえばアフターの口太狙いと共通するところもあるのですが、魚自体の活性が格段に高いですから、アタリを出すことも決して難しくはありませんよ。

担: なんだかワクワクしてきました。シビアなグレか? ハイテンションなチヌか?
どちらも最高に楽しそうです。今日はありがとうございました。

平: 僕も今すぐ磯に行きたくなってきました。みなさんもがんばってください!!

ある意味釣りをお仕事にされているみなさんにとって、釣り以外の趣味はなんですか?
やっぱり釣り? 仕事としての釣り以外で楽しまれている趣味があったら教えてください。

そうですね、本当に釣りばっかりしていますから(笑)。

でも、いつも結果を出さなければいけない釣りばかりで、
とことん神経を集中させっぱなしの日々が続く中、
たまの休日はおもいっきりゲーム(プレステ)をして頭をからっぽにしています。
これが僕のリラックス法ですね。

あとは厳しいグレ釣りの合間のエギングやソルトルアーゲームも、僕には最高の癒しです。
……って、これも釣りか!?(笑)

でも、頭の中がキ~ンッとなるような厳しい釣りはフラフラになりますが、これが最高に楽しいんです。
やっぱり僕にとって、釣りが最高の趣味ですね!!

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